入浴の効用・湯温と自律神経

入浴した際に生ずる、私たちが感じるリラックス感や爽快感は、
単に汗や汚れを洗い流すことによるものだけではなく、
お湯につかることによる、身体が受ける物理的作用の影響も大きいと言われています。
湯船で手足を伸ばしたときのゆったり感は、浮力が及ぼしている左様が大きく、
浮力を受けて軽くなった身体は、筋肉の緊張が次第にほぐれてゆき、
それと共に、緊張からくる脳への刺激も減少し、心も開放されてゆくのです。
他に、お湯で温められた身体は、血行が促進し、新陳代謝お活発にします。
これは、温熱作用によるもので、老廃物や疲労物質などの除去につながり、こりがほぐれるのもこのためです。
また、温かいお湯には、自律神経をコントロールする作用もあります。
42度以上の熱いお湯は、交感神経を刺激し心身ともに活動的に、
逆に、38度以下のお湯は、副交感神経に働きかけて、心と身体を落ちつかせてくれます。
ということで、お湯の温度と自律神経は、切手も切れない密接な関係にあり、したがって、
それぞれの場合に応じた、心と身体に合った入浴方法が望まれます。
例えば、寝覚めの入浴は、熱いお湯をサッと浴びることが良いでしょうし、反対に就寝前は、ぬるめのお湯にゆっくりつかり
心と身体を落ちつかせることをお薦めします。
そうすれば心身ともにリラックスでき、グッスリ眠ることができます。
また、飲みすぎた二日酔いの朝には、ぬるめのお湯に、汗が出るまでじっくりひたれば、
汗とともに、アルコール分も流れ出しますので、これもお薦めです。
ただし、飲んだ直後の入浴は控えられるようお願いしておきます。
このように、それぞれの体調に合わせた入浴方法を選択すれば、健康維持により有意義なものになることは間違いありません

ぜひ実践していただきたいと思います。

2004年